雑誌「野宿野郎」の感想

自分は一人旅や野宿についてはそこそこ経験がある。回数は多くも少なくもない。しかし世の中には「一人で旅に出るなんてとんでもない」と言う人や「野宿ってなんでするの」とそういう行為を最初から否定する人も少なからずいる。
自分は「世の中には2種類の人が居る。一人旅に出られる人とそうでない人がいる」なんて思うこともある。しかし一人旅や野宿を否定する人を非難するつもりはない。ただ趣味として意外と楽しいものだから興味がある人はこの本に書かれてるようにさらに楽しくやれたらいいと思う。

この雑誌。これはミニコミ誌というやつで、普通の書店や楽天やアマゾンでは売ってない。欲しい人はこちらで購入できる。内容はというと「くだらないけど面白い」の一言。ただこの「くだらない」というのはこの雑誌に対しては褒め言葉だと思う。なぜかと言うと自分も含めて野宿する時は立派な事をしているつもりなど微塵もなくて、一般社会にとってどれだけ無意味か、どれだけくだらないかを自分で楽しむようなところがあるから。つまり、「あーくだらなかった」というのを自分の経験値や笑い話にできるということ。その「くだらなさ」を楽しめる雑誌だと思う。読んでてそう思った。

そういうわけでこの雑誌は全ての人にお勧めはできない。野宿に興味がある人や無意味に旅したい人には楽めるはず。そうでない人にはまったく面白くないはず。値段も6冊で¥2700と良い値段するので、「かーくだらない」と笑顔で¥2700を捨てるつもりでないと買えないと思う。

将来的に野宿は一つのレジャーになると思う。それ以外にも災害時には心の余裕になるかもしれない。今年の3月11日、自分は東京に居て歩いて帰れるほど自宅は近くないのと、道路には帰宅難民多数。そんな状況ですっかり夜になっても心のどこかに余裕があった。というのは商店の脇に捨ててある程よい大きさのダンボールを拾ったから。これで最悪でも野宿できる。そう思ってた。だから「今夜は氷点下かもしれないのに、みんなこんなお宝が落ちてのになんで拾わないんだろう」などと考えていた。しかし事態は良い方向に動き、結果的に避難所に泊まれ、翌日には帰れたから野宿はしないですんだが、もしさらに二次災害か何かで何日も帰れなかったらダンボールは役にたったはず。そんな風に野宿経験があるとイザと言うときに、気持ちだけでもほんの少し楽になれるかもしれない。そんな風に思った今日この頃。