本「クァンガイ陸軍士官学校」(加茂徳治)の感想


2008年に出版されたこの本、興味があって読んでみた。最初の数ページを読むと止まらなくなって一気読みしてしまった。途中読みながら鳥肌が立つほどの感動を覚えた。なぜ感動するのか、それはこれが真実の話しだから。実際にあった歴史だから真剣に読むし真面目に考える。

著者はなぜ戦後もベトナムに残ったのか。多くの日本兵が残ったのはなぜか。この本の著者を含めた多くの日本兵が自分の祖国ではないベトナムのために命を懸けて戦ったのは何のためなのか。
さらに読み進めると、いろんな疑問が沸く。たとえば、列強の愚民化政策とは何のため。ベトナム・中国・フランス・アメリカ・日本、どの国が正義でどの国が悪なのか。いろいろ考えさせられる。
ベトナム独立までの長い戦い、しかしこれこそ偽りのない「正義の戦い」で「正義が勝つ」戦いだったのではないだろうか。

ふと思うのは、世間にはあまりにもアメリカ映画が溢れていて、それは決して悪いことではないが、あまりに一方的な情報の多さにそれが真実なんだと信じ込んでしまっている人も多いと思う。たぶんというか絶対にこの本は映画化されないし多くのメディアに取り上げられることもないはず。真実なのに都合の悪い人や国が多いとあまり世間には出ない。かつて良く作られた西部劇でインディアンが列車を襲ったりインディアンから街を守る保安官が居たり、そんなことで一方的にイメージが作られている事も世界には多いと思う。本当の真実や感動はこういう売れない本に潜んでいるのではないだろうか。そんなことを思った今日このごろ。

【送料無料】クァンガイ陸軍士官学校

【送料無料】クァンガイ陸軍士官学校
価格:2,100円(税込、送料別)