本「散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道」(梯久美子)の感想

数年前、勤め先の関係会社がデイサービスをしていたのでそこにちょくちょく手伝いに行かされた。手伝いと言っても、自分らはまったくの異業種な人間なので何をしたら良いのかわからない。ただ、食事や入浴など主な仕事はパートのおばさんが手際よくやってしまうので、もっぱら自分ら手伝いの人間は年寄りの話し相手をしていた。自分は個人的な興味から昭和20年前後、戦争に行っていた人や空襲を受けた人の話しを積極的に聞いていた。

昭和20年3月の東京大空襲はまさに「地獄」とのことだった。この体験談は衝撃的だった。それに対して自分が接した最近の二十歳そこそこの若者はこれに対して知識としてはあるようだが、遠い昔話のような印象を持っているようだ。この体験談と彼らの印象とのギャップに自分は違和感を覚えたものだった。

この本はこの時代を知る良い教材になると思う。感動作でなおかつ実話。映画「硫黄島(いおうとう)からの手紙」を観た人も多いと思うが、あれではあまりに情報が少ない。ぜひ若い人に読んでもらいたい1冊。

少し衝撃的かもしれない写真、東京大空襲で焼け死んだ母子。どういう経緯でこういうことになったのか。実際にあったことを知り、それぞれの歴史観をみんなが持てるようになれたらいいと思う。そんな今日このごろ。

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