映画「1911」の感想

さっそく観てきた映画「1911」。感想は残念な映画、自分としてはレッドクリフやラストエンペラーの方が面白い。どんなとこが面白くないかというと、この映画は中国で歴史の授業で使おうと思ってる?というような作りだから。ある程度は観る前から想像はしてたけど、国策映画?プロパガンダ?と思えるような仕上がり。この映画の全体を現すと「中国万歳→孫文万歳→中国共産党万歳」というのがあからさま。それでも観たいという中国大好きな人にはお勧め。

中国での映画事情は他の国とは違う。中国には国家広播電影電視総局(以下、中国当局)という機関があって、中国で映画を作ったり公開したりするにはここの許可が要る。規制と聞くと多くの日本人はセックスシーンや暴力シーンによる不許可を連想するが、そうではない。すべて中国当局独自の意向による規制となっている。例えばアバターは上映縮小、トランスフォーマー3は上映延期、他の中国映画も多くの映画が制作禁止や上映禁止になっている。

この映画では「自由と民主主義のため」多くの犠牲を出して革命をなしとげた。とある。しかし現在、中国のマスコミや映画事情を考えると、とても自由とは思えない。中国当局による厳しい規制の中で作っている。そんな中で自由のために戦った革命の映画。どこか矛盾してて息苦しい思いがするのは自分だけではないはず。

上はこの映画の1シーン。自分も戦争映画はだいぶ観てきたが、背嚢(はいのう)を背負ったまま突撃するシーンは始めて観た。観ながらちょっとでも不思議に思うシーンがあると「これも当局の意向?」などと考えてしまう。そんな今日この頃。