映画「コンテイジョン」の感想

さっそく観てきた。感想はそこそこの60点。最近多い「宇宙人が攻めてくる」という映画よりは実際にありそうな話しなのが良い。この映画はウィルスに感染してもゾンビ化するわけでもないし派手なアクションシーンもないので、そういう意味ではリアリティがある。ただ、全体の出来としては細切れのシーンが多くて話しとして繋がりに欠けるようなところがある。おそらく多くのシーンを同時並行型で進める作りになっているからだと思う。しかし同時に多くのテーマを扱うのでいろいろと考えさせられることもある。そんな映画。

ウィルス映画といえば「アウトブレイク」や「フェーズ6」を思い出す。これらの映画に比べるとこの作品はよりリアルにホームドラマチックに作ってある。ウィルスが蔓延というとパニック映画のようなものを想像する人も多いと思うけど、この映画は落ち着いた気持ちでじっくりウィルス系の映画を観たい人にお勧めできると思う。

ところで実際にあった過去のウィルスと言えば、死者の多いのは天然痘だろう。世界や日本でも多くの死者を出したが、それだけではなくこのウィルスは兵器としても使われている。それは18世紀のアメリカ大陸で、英国軍が敵対するインディアンに対し天然痘患者の使用した毛布を配ったというもの。当時、天然痘の免疫がないインディアンは多くが感染し死亡している。こういう実際にあったことを映画化すればウィルスの恐さ以上に人間の恐さをリアルに感じてすごい映画が出来そう。ただ、この話しは映画化されることはまず無いだろうけど、もし作られたらぜひ観たい。そんなことを思った今日この頃。

↑映画「アウトブレイク」。ひとつの街をまるごと閉鎖するシーンがすごい。

↑映画「フェーズ6」。ウィルス患者が蔓延した世界の描写が恐い。