映画「任侠ヘルパー」感想(草なぎハマり役で意外に楽しい)

観る前はドラマの間延び版かと思ってたけど、立派に映画だった。線の細い草なぎ剛もヤクザ役は似合わないと最初は思ってたけど、観ていく内に「こういう個性を持ったヤクザ」と感じるようになるから不思議。弱きを助ける任侠道を目指しながらも実際には弱い者を食い物にする仕事。そんな矛盾に苦しむストーリーもしっかりしていて面白い映画だった。

良かったところ
・草なぎ剛 ハマリ役、SMAP1の演技派
・安田成美 さすがの自然体
・風間俊介 どこかで観たような役柄だけど見てて楽しい

残念なところ
・認知症の描写が短絡的
・貧困ビジネス表現も簡単すぎ
・黒木メイサ

映画は2時間の中で、物語と楽しさを入れなければならないから、作るのはすごく難しいと思う。だから物語や楽しさから少しでも関係が薄い部分は短く短絡的な表現になっても仕方がない。細かいところまですべて納得がいくような作りだととても2時間では収まらないし、楽しさやスピード感が失われてしまう。そういう意味で、この映画での認知症の描写は短絡的で仕方が無い感じはする。ただ、どうしても気になってしまう。認知症の現場はもっと壮絶で多様だということを。そんなことを思った今日この頃。