TBS 世界のコワーイ女たち、おまえもか



TBSの番組「世界のコワーイ女たち」、これでもエクソシストのことをやってた。1976年ドイツで悪魔が憑いたとされた19才のエミリー・ローズ(下の画像)が悪魔祓いの末に死亡したことを放送していた。この番組では単に怖い話しとして紹介しているようだが、自分としてはこの番組の方向性に疑問を感じる。


エミリー・ローズ
この「世界のコワーイ女たち」がアメリカの番組だったら良いかもしれないけど、これは日本の番組。この「悪魔」という文化までも宗教抜きに取り入れてしまうのかとゾッとする。
ごく冷静な考えを言えば、悪魔が憑く(つく)というのは単に統合失調症の多重人格であり、取り憑いたとされる人は子供の頃からキリスト教文化圏で育ち、悪魔がどういうものかを知っていたからその人格が病気によって「憑いた
」だけではないのかと。

ちなみに今、日本の子供に宇宙人の絵を描けと言ったら、こういう絵を描く子も多いのではないだろうか。
この絵はテレビなどでもよく出てくる一般的な宇宙人。この画像が頭に刷り込まれているからこういう宇宙人を想像する子も多いだろう。つまり、悪魔が憑くというのも、今のまじめな自分を否定する悪い人格→悪魔と刷り込まれているのではないかと思う。

上は物語「不思議な国のアリス」のスケッチ。19世紀末のイギリスの物語でアリスが訪れる不思議な国。つまり空想の世界の物語。で、ふと思うのは空想の世界なのにイギリス文化そのもの。王様やお姫様、騎士などなど。せっかく空想の世界なのに世間が狭い。と思うのは自分だけだろうか。
何が言いたいのか、つまり人の想像力は人の理解力を超えないってこと。
せっかう科学も進歩してきて精神病や脳のメカニズムも少しずつ分かってきたのに、それをまったく議論せずに急に人格が変わっておかしなことを言う人=悪魔が憑いたというのは、ちょっと残念。宗教や文化を否定したくないのも分かるし、オカルト的な方が面白いのもわかるけど、あんまりまじめに悪魔が憑いたって言われるとちょっと引く。
昔から日本でも世界でもその時点の科学で証明できない不思議なものを宗教的に説明してきたようなところがある。なのでこういった精神病もよくわからない事だった頃に悪魔の仕業にされたのではないかと。宗教は安らぎを与えると同時に恐いものである。今でもアメリカ人の4割は進化論を否定し2割は地動説も否定するという。これは神の教えに反するから。恐いものである。宗教を否定するつもりはないけど、それをあんまり守ろうとしすぎると今度は科学を否定することになるんじゃないかと。そんな風に思った今日この頃。